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松任谷由実「OLIVE」のオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

「青いエアメイル」のことを書いた先日の記事に載せた写真を見て、ほとんどの人が気づいたかと思うが、ボクが持っていた「OLIVE」は再発盤だった。

このアルバム、1979年7月にリリースされたオリジナルのカタログ番号はETP-80085で定価は2500円だったが、1981年5月の再発ではカタログ番号はETP-90083となり定価も2800円にあがっている。
先日の記事に載せた写真で明らかなように、ボクが持っていたのはこの再発盤のほうだった。

このレコードはリアルタイムで買ったやつじゃないからなー
ユーミンの場合、曲が聴ければよかったので、オリジナルとか再発とか、あんまり気にしてなかったよσ^_^;

でも、何の気なしにRonoutを見て、ボクは愕然としてしまったのである(大袈裟だっちゅうの 笑)。
再発盤のMatrix末尾はETP-80085-A 3S2 67/ETP-80085-B 3S2 10で、かなーり進んだものだったのだ。

そんなわけでオリジナル盤を買ってみた。
まあ、ワンコインで買える安レコだしね。


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オリジナルは、帯の紙質は上質だわ、インナースリーブの発色は綺麗だわ、そりゃもうオリジナルーって感じだったのだが、Matrix末尾もしっかり若かった。
今回入手したオリジナル盤のMatrix末尾は、ETP-80085-A 1S2 17/ETP-80085-B 2S 12だ。
もっと若いやつもあるのかもしれないが、ボクはもうこれで満足である。実に良い音だからだ。

再発盤と比べるとオリジナル盤の音は、もう笑っちゃうくらい違う。
個々の楽器やボーカルの音色が明確で、音の余韻がとても綺麗だ。
音の輪郭もまったくぼやけていない。

当たり前といえば当たり前の話だが、日本のフォークやロックやポップスも、やっぱりオリジナルはオリジナルの音なんである。

タグ:松任谷由実
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Hall & Oates, H2OのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

夕べツイッターのボクのTLで、ホール&オーツ(Daryl Hall & John Oates)"H2O"のUSオリジナルのことが話題になった。

Discogsにも、一応情報はすべて出ているようだが、あまり整理されていないので、ボクなりにまとめておこう。

このレコード、1982年のリリース当時、ボクは日本盤を手に入れた。
当時はお金がなかったので輸入盤を買うことのほうが多かったのだが、なぜだか日本盤を買った。
理由はまったく覚えていない(笑)

ってことで、うちのレコード棚には日本盤しかなかったのだが、何年か前にラディック(Bob Ludwig)の仕事を追いかけていろいろ集めているときに、これのUSオリジナルも網にかかってきて、二枚ほど手に入れたのであった。

そんなわけで、うちのレコード棚には日本盤とUS盤2枚の計3枚が並んでいる。


20180430-1.jpg


日本盤だけ向きが違うのは、背表紙の位置で合わせて写真を撮ったからだ。
背表紙の位置を合わせたままひっくり返すとこうなる。


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つまり、日本盤は、ジャケットの表裏どちらも90度間違えている(笑)
まぁ、日本盤のことはいいよね。ラディック・カットでもないし。

US盤はMASTERDISKでラディックがマスタリング&カッティングをしている。
RunoutにMASTERDISK RLの刻印があるし(手持ちはどちらも片面はMASTERDISKのみだが)、インナースリーブにもはっきりと記載されている。


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このインナースリーブだが、ファースト・プレスとセカンド・プレスでは、ちょっと違っている。


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手前がファースト・プレス付属のもので、奥がセカンド・プレス付属のものだ。
ファースト・プレス付属のものは光沢があり、セカンド・プレス付属のものはマット(というか普通紙印刷みたいな感じ)である。
(実は、ジャケットも、ファースト・プレスは光沢があり、セカンド・プレスにはあまり光沢がないが、これは比べないとわかりにくいかもしれない。)

なにより、ひっくり返すと、セカンド・プレス付属のものには右下端に”RE"とあるので、簡単に判別できる。


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なぜ"RE"とあるかと言えば、歌詞の掲載順序が修正されたからである。


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ファースト・プレスでは、"ONE ON ONE"→"ART OF HEARTBREAK"と収録順とは違っているが、セカンド・プレスでは、"ART OF HEARTBREAK"→"ONE ON ONE"と収録順に修正されている。
ちなみに、日本盤付属の見開きインサートは、ファースト・プレス仕様で"ONE ON ONE"→"ART OF HEARTBREAK"の順だ。


レーベルも若干違う。
字が小さくてわかり難いかもしれないが、ファースト・プレスは、左上のRCAロゴのすぐうえに"1981 RCA RECORDS"とあるのが棒線で消されている。


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セカンド・プレスには、そもそも"1981 RCA RECORDS"という記載がなく、したがって修正もない。


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セカンド・プレスでも、両面MASTERDISKで片面RL刻印なので十分に良い音だが、やはりファースト・プレスは違う。キレッキレの次元の違う音で鳴る。

ちなみに、うちにあるのはどちらもMatrix末尾はR2/R1のRCAインディアナポリス工場産だ(当然R1/R1もあると思うが、差はない気がする)。
ただし、8時あたりにある刻印が、ファースト・プレスのほうはA1のスタンプにHの手書き(A面)/A1のスタンプにfの手書き(B面)なのに対して、セカンド・プレスのほうがA41のスタンプにRの手書き(A面)/A14のスタンプにAの手書き(B面)である。
スタンパーの若さは相当に違っている。

300円くらいでゴロゴロ転がっているレコードだと思うので、ファースト・プレスを見つけたら、ぜひお試しあれ。

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レコードのレーベル形状 [アナログ・コレクターの覚書]

ツイッターのボクのTLで、レーベル形状がプレス機由来なのか、スタンパー由来なのかということが話題になった。

たとえば、次の写真は、いずれもレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)『聖なる館(Houses of the Holy)』のUKオリジナル、Matrix末尾A2/B2の盤のレーベルなのだが、中央にあるドーナツ盤のアダプターぐらいの大きさの円が、一枚目は二重に、二枚目は一重になっている。


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この形状の違いが、プレス機に由来するものなのか、それとも、スタンパーに由来するものなのか、という話だ。

問題は、プレス機にとりつけるスタンパーに、どのくらいの穴が開いているかってことだ。
YouTubeを探してみると、1950年代のRCA Victor Presentsの動画が見つかった。





15分15秒くらいのところにスタンパーが出てくるが、けっこうでかい穴があいている。
このぐらいの穴が開いているとすると、その内側にあたるレーベルの形状はプレス機由来ということになる。

これを前提に考えると、50年代のレコードのDGなんかは、プレス機由来ということになる。

もっとも、こういうのは時代によって違うということもある。
実際、比較的最近(2000年頃)の東洋化成でのプレスの工程を記録した動画を見てみると、スタンパーの穴はずっと小さい。





9分30秒くらいのところにスタンパーが出てくるが、穴の大きさはドーナツ盤のアダプターぐらいだ。
この穴の大きさとレーベル中央の円はほぼ同じ大きさってことになる。

こうなると、プレス機の取り付け軸の外周が2段になっているのか、それともスタンパーの穴の周囲が二段になっているのか、という微妙な話になるが、よく見ると、二重のほうの内側の円が一重の円と一致しているので、どうやらスタンパーの穴の周囲が二段になっていると考えるほうが合理的な気がしてきた。

スタンパーの穴がドーナッツ盤アダプター程度なら、レーベルが外側に向かって二段になっているのはもちろんスタンパー由来ということになる。
こうしたスタンパーの形状変化は、プレス機にとりつけるための穴を開けるときに、その穴開け機によって穴の周囲にかけられる圧力によって生じる、スタンパーの変形に由来するものなんじゃないだろうか。
もちろん、それは、二段レーベルとか凸リムレーベルとかを考えれば明らかなように、意図的な変形だろう。

そう考えると、いろんなことに合点がいくのだ。

60年代以降のレーベル中央にドーナツ盤アダプター相当の円があるレーベルの場合、レーベル形状のほとんどはスタンパー由来だが、それは穴をあけるための機械によって起こるスタンパーの形状変化に由来する。
このスタンパーに穴をあける機械が工場によって違うと、工場違いでレーベル形状が違うということが起こるんじゃないかと思うのである。

もっとも、話を最初の『聖なる館』UKオリジナルの話に戻すと、二重円のレーベルは、Side1だけが二重円でSide2は一重円なので、実は、このスタンパーの穴開け機由来説が妥当しない(笑)
外側に向かって二段になっているのは、穴開け機由来だと思うのだが、中央の二重円は、案外、プレス機に上側のスタンパーを固定するときに、落ちてこないように軸周りにはめる留め具のようなものに由来するんじゃないかと思うのだが、どうだろう?

さて、真相やいかに?(笑)

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青いエアメイル [松任谷由実]

この季節になると無性に聴きたくなるレコードがある。
ユーミンの”OLIVE”だ。


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”最後の春休み”というドンピシャな曲も収録されているのだが、何と言っても”青いエアメイル”である。

「おい、まて。”青いエアメイル”の設定は冬だろう。」って声が聴こえてきそうだが、実はこの季節に聴くのに相応しくないわけでもないのだ。

いろいろ解釈はあるのかもしれないが、この歌は、海外赴任をきっかけに恋人と別れることになった女性のことを歌っているんじゃないかと思う。

海外赴任が決まり、「ついてきてほしい」という恋人の気持ちに、主人公の女性は何か事情があって応えられなかった。
ひとり海外に赴任したかつての恋人から、ときおりエアメイルが届く。
でも、それもきっと、やがて途絶えてしまう。
恋人の気持ちに応えないことを選んだのは、まさに自分自身なのだから。


  ♪ 選ばなかったから 失うのだと
  ♪ 悲しい想いが 胸をつらぬく
  ♪ けれどあなたがずっと好きだわ
  ♪ 時の流れに負けないの


最後のフレーズが胸を衝く。

選ばない」のは、普通、「好きじゃない」からだ。
でも、「好き」なのに、「選ばない」こともある。

好き」だけど「選ばれなかった」ときは、その事実が普通は「好き」という気持ちを打ち消す方向に働く。
「選ばれなかった」そのときには強く残っていた「好き」という気持ちも、やがて薄れていくだろう。
だから、海外へと旅立ったかつての恋人からの便りは、やがて途絶えてしまうのだ。

じゃぁ、「好き」なのに「選ばなかった」ときはどうだろう?
「好き」という気持ちを打ち消す方向に働くものは何もない。
その気持ちは、時の流れに負けずに、ずっと変わらないかもしれない。


「好き」だけど「選ばれなかった」ことはやまほどあれど、「好き」なのに「選ばなかった」ことなんて一度もないから、この最後のフレーズの意味にはなかなか気づかなかったよ・・・

ね、この別れの季節に聴くのに相応しくないわけでもないでしょう?

好き」なのに「選ばない」決断をしている人は、覚悟しましょうね。

タグ:松任谷由実
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The Who– Meaty, Beaty, Big & BouncyのUKオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

レコード・コレクターズ4月号の初盤道は、「奇妙なマト1」という、これまでとはちょっと違う切り口から興味深い話を展開していた.

「奇妙なマト1」といえば、ボクがすぐに思い浮かべるのは、ザ・フー(The Who)のシングル・ヒットを集めた1971年リリースの編集盤"Meaty, Beaty, Big & Bouncy"のUKオリジナル(Track Record ‎2406 006)だ。

初盤道で「恋のピンチ・ヒッター」(Substitute)のUK盤シングルがとりあげられていた("Meaty, Beaty, Big & Bouncy"にはもちろんこの曲も収録されている)からすぐに思い浮かんだのかもしれないが、この「奇妙なマト1」の話はいずれ記事にしようとは思っていたのである。


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このレコードの場合、「奇妙なマト1」といっても、「二つあるマト1のどっちが初盤かわからない」という話ではない。

というのも、確かにどちらも「マト1」なのだが、レーベル形状からどちらが初盤なのかは明らかだからである。

1971年リリースだから、初盤は当然、フラットでマットなこのレーベルである。


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ところが、リムが凸になっているこのレーベルにも「マト1」が存在する。


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「ずっとマト1だっただけだろー」と思ったあなた!
違うんである。
どちらも、George Peckhamのカッティングであるにもかかわらず、違うんである。

初盤のマト1はこうだ。


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B面もマト1で、Runoutの刻印は次のようになっている。

Side A - PORKY 2406 006 A//1
Side B - PECKO 2406 006 B//1


それに対して、レイトのマト1はこうだ。


20180317-4.jpg


これまたB面もマト1で、Runoutの刻印は次のようになっている。

A PORKY PRIME CUT 2406 006 A//1 M
MASTER ROOM 2406 006 B//1 M

A//1やB//1の後のMはMaster Roomでカッティングされたことを示すものだし、B面にMASTER ROOMと手書きされているし、Master Roomカッティングであることは間違いない。
Peckhamが1970年代前半にMaster Roomに所属していたこととも符合する。

Discogsで確認すると、どうやらMaster Roomができたのは1973年のようなので、この2番目のマト1はおそらく1973年か74年にカッティングされたんじゃないかと思う(Peckhamは74年にI.B.C. Studiosに移っている)。

さらに、ボクは持っていないのだが、Discogsを見ると、Side AがPORKY A//1でSide BがMELY ! B//4という盤が存在するようだ。
これはおそらく、Side Bだけスタンパーが足りなくなって、Melvyn Abrahamsがあらたにカッティングしたんだろう。

要するに、こういうことだ。
1971年に初盤のためにPeckhamがカッティングをした(PORKY刻印盤)のだが、1973年か74年に大々的な追加プレスをすることになったとき、再び(そのときはMaster Roomに所属していた)Peckhamがカッティングを依頼された(A PORKY PRIME CUT刻印盤)。
このどちらもが、末尾A1/B1のマト1なのである。

同じPeckhamのカッティングなのだが、時間的にあいていることもあり、音はだいぶ違うので注意が必要だ。

ちなみに、初盤とレイト盤では、ジャケットもだいぶ違っている。

まず、表ジャケのタイトルのフォントが違う。


20180317-6.jpg


手前が初盤ジャケで、奥がレイト盤ジャケである。

見開きの内側左のクレジットもかなり違っている。


20180317-7.jpg


向かって右が初盤ジャケで左がレイト盤ジャケだ。
初盤ジャケはE.J.Day製だが、レイト盤ジャケはHowards Printers製なので、レイト盤ジャケではE.J.Dayのクレジットが削られている(Howards Printers製であることは裏ジャケ右下に書いてある)。
そのほか、楽曲ごとのプロデューサー・クレジットや疑似ステレオ関係のクレジットが初盤ジャケにはない。
あと、何故だか、カタログ番号"2406 006 SUPER"がレイト盤ジャケでは消されているが、裏ジャケにも背表紙にも同じカタログ番号が残っているので、何故消したのか謎である。


しかし、初盤と同じ人間がリカッティングしてまたマト1って、なんでこんなことが起こるんだろう?
実に奇妙なのである。

タグ:The Who
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